【オーストラリアで不妊治療⑤】採卵に向けて自己注射の日々と予想していなかった新鮮胚移植

前回は、子宮内膜症と子宮内膜ポリープ切除手術についてシェアしました。

今回は、体から異物を取り除き、はれてクリーンな環境になった術後、目的であった体外受精に申し込むまでと採卵前から新鮮胚移植までに行ったことやスケジュールをシェアします。

この体外受精に進むための道のりは本当に長かった。

妊活記事も既に5記事目を迎えてしまいましたが、もうしばらくお付き合いください。

目次

手術後

手術後一ヶ月、12月は妊活をお休みし、ドクターから「手術後、3か月はタイミング法で試してみて」とのことだったので年明けの1月からは自然に任せていました。

しかし双方の健康状態や仕事の都合などでやはり調整が難しく、互いのストレスも多かったため、シリンジ法も組み合わせて、妊活当初のような過度な期待はせずに流れに身を任せていました。

やはり妊娠には至らず、じゃあ最後の手段の一つとして体外受精に進もうと決心しました。

持病の再発

しかし、私には10代から発症した、「結節性紅斑」という自己免疫疾患の持病があり、それが1月下旬より再発してしまいました。

通常3週間で脚のあざや痛みが消えていくのですが、今回に限ってはいつまでたっても病状がよくならず、悪化する一方でした。

そして4月上旬、しまいには足首のあたりが捻挫のようにぱんぱんに腫れてしまい、激痛のため歩行困難で仕事を休まざるを得ない状況にまでなってしまったのです。

痛みに強い私ですが、あまりの痛さといつ治るのか分からない恐怖でこの時期は泣けてきました。

あざやしこりができる部位にもよるのですが、関節部位にできると動く際に痛みが生じるため、今回の膝と足首、足の指の付け根にできたことは日常生活に支障をきたすレベルだったので、本当に致命的でした。

GPを5件はしごしたのちに、大学病院のリウマチ科のウェイティングリストに入れてもらうことができましたが、いつ受診できるのか分からず。

痛み止めの他にステロイドを処方してもらいましたが妊活中のため飲むのが怖く、お守りとして所持するのみに留まりました。

この時は妊活の終わりの見えないゴール、いつもとは違う持病の様態でいつ病状がよくなるか分からない不安と恐怖、今まで当たり前にできていたことができなくなるストレスで、私の健康・精神状態ともにズタズタに切り裂かれて心身共に疲弊しきっていました。

今思えば、自律神経の乱れによるものだったのではないかと推測できますが、この頃は身体が思うように動いてくれず、一日一日をどう乗り越え、生活していくかを考えることに精一杯でした。

心身の疲弊で一時帰国を選択

パンデミックも落ち着いて、この頃はPCR検査なしで日本に入国できるようになっていました。

たまたま友達からジェットスターの半額キャンペーンを教えてもらい、迷いなく日本に帰ることを決めました。

また、6月上旬から資格を取るためにTAFEに通うことも決まっていたので、この機会が絶好のチャンスでした。

そうして4月下旬から6月上旬まで帰国することにしたのです。

日本に帰国後も、この持病に関しては2件の皮膚科、1件の耳鼻科、紹介状を経て、1件の大学病院をはしごして、必死に持病の原因の答えもしくは手がかりの追求と治療に専念しましたが、それでも答えは見つからず。

また、すぐにオーストラリアへ帰るため頻繁に通院することができないため、当然ながら治療計画を立てることもできませんでした。

しかし、家族や親戚、友達と過ごしていくうちに5月の下旬には徐々によくなっていき、6月には奇跡的に自然と回復したのです。

当初は動くことが制限されるため、大好きなアウトドアスポーツやウォーキングができず、自宅安静のみでストレスは溜まるばかり。

1月から再発した持病に悩まされ、回復の兆しが全く見えずに過ごした半年間、自分ではどうにもできず本当に辛かったです。

満を持して、クリニックを再訪問

実は日本に行く前に、オーストラリアから帰国後に合わせて不妊治療クリニックに予約をしていました。

2022年の11月28日に手術をして、あれから紆余曲折を経ておよそ半年が経っていました。

6月中旬に再び訪問し、タイミング法でも上手くいかなかった旨を伝えると、ここでようやく体外受精にステップアップしようということになりました。

問診料$110でメディケアベネフィットにより$70.75でした。

しかし、以前もらった紹介状(GPからスペシャリストへの)の有効期限が一年とのことで7月中には切れてしまうとのこと。

これが切れてしまうと、政府から体外受精の補助金が受けられないとのことで、また紹介状を再発行してもらうためだけにGPに行くことになりました。

これまためんどくさい。しかも、そのGPドクターの予約可能な日が最短で二週間後だったので、また時間を無駄にする感じが否めませんでした。

体外受精までの道のり

7月上旬。GPからクリニックへ最新の紹介状を送ってもらう前に、ドクターではなくナースとクリニックの受付双方とメールでやり取りをしている期間がありました。

以前の記事で、支払い先が多岐にわたることをお伝えしましたが、ここでも同様です。

  • いつ生理が来たか(ナース間とのやり取り)
  • 卵子、精子、受精卵の凍結におけるコンセントフォーム(ナース間とのやり取り)
  • 薬や自己注射の開始日時や注意事項(ナース間とのやり取り)
  • 採卵手術の同意書(ナース間とのやり取り)
  • IVFの見積もりと振込先(Queensland Fertility Group)(受付間とのやり取り)
  • ドクター(クリニック)に直接支払う採卵手術の費用(受付間とのやり取り)
  • 麻酔科医にはクリニック側から支払う旨(受付間とのやり取り)

気になる体外受精のコスト

1.IVF 1st payment deposit(35歳以下)

$3,500

2. 採卵手術(Oocyte retrieval)

$523.10

メディケア返金 $291.15

3. IVF 2nd payment

$1846,25

メディケア返金($1,800くらいを予定)

4. Medications

$240

Total $6,109.35

採卵から移植までのスケジュール

7月11日 ピル服用開始

8月7日 Low Dose Aspirin, 100mg 服用開始(ケミストにて自分で用意)

10日 薬を取りにクリニックへ行き説明を受ける

12日 ピル服用終了

13日 ナースに生理開始の連絡
(8日から徐々に出血し始め、量が増えていき11~13日に生理開始とだけ連絡)

17日 自己注射開始(FSH ゴナールエフ150を12日間連続)

21日 血液検査(のちに結果をナースから電話で知らされる)

23日 自己注射開始(アンタゴニスト Cetrotide250を6日間連続ゴナールエフと併用して投与)

28日 スキャン(卵がおよそ16個近くあることを知る。既にお腹がパンパン)

30日 採卵日(Oocyte retrieval)と当日の朝に精子を提出

9月4日 新鮮胚移植日

14日 血液検査による判定結果

実はスキャンに行った28日である採卵日の数日前に新鮮胚移植での移植になることを初めて知った。(笑)

一回凍らせて身体を休ませると思っていたので衝撃だった。

もちろん選択肢はありませんでした。

薬の種類

この他に、葉酸サプリメントも毎日続けていました。

左上のピルを7月中旬あたりから服用を開始して、8月上旬から右上の低用量アスピリンの服用を開始。

10日に下の自己注射三種類と膣座薬を受け取り、説明を受けました。

自己注射は、8月30日の採卵前と採卵後に合わせて毎朝必ず決まった時間に。

毎朝前日とは位置をずらして投与。

最初はビビッていましたが、徐々に慣れてきました。

徐々にお腹がパンパンになってきて、例えるなら常にガスが溜まった状態で苦しく痛い。

採卵日前はお腹の大きさが初日と段違いで、お腹のお肉を簡単につまめるようにまで成長していました。

右下の膣薬は採卵後から一日に三回投与する必要があり、特に外出先や職場では大変でした。

あとは、最初は入れ方のコツがつかめず時間がかかりストレスでした。

まとめ

  • 子宮環境を綺麗に整えても自然妊娠は難しい
  • 持病と闘いながらの妊活には無理があった
  • 35歳以下だったため助成金で賄える部分はあるが、やはり医療費は高額
  • 薬の種類や投薬日など複雑に感じた
  • 治療方針は相談して決めることはできない
  • 血液検査やスキャン結果によっては、延期になる場合もある

次は、実際の採卵手術と記念すべき一回目となる新鮮胚移植の様子をシェアします。

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この記事を書いた人

2017年オーストラリアに移住。移住後二年間はワーホリビザ、その後パートナービザに切り替え、クイーンズランドの田舎で生活中。仕事を見つけ、念願のボーダーコリーを我が家に招き、新築を建て、現在はキャリアチェンジのために奮闘中。

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