今回は、これまで私たちがオーストラリアで行ってきた、「妊活・不妊治療(体外受精/IVF)」の体験を皆さんにシェアしようと思います。
正直、プライベートなことなので記事にするか迷ったのですが、私たちの経験が少しでも誰かの参考になればと思いシェアすることにしました。
異国の地で、まさか自分が不妊治療をすることになるとは・・・
移住当初はそんなこと考えたことがありませんでした。
待っていれば、一年前後で授かれるだろう。
そう呑気に考えていました。
今回の記事は、妊活開始前から妊活開始一年間の振り返りです。
今後もオーストラリアので不妊治療にかかった費用や不妊治療専門クリニックの初診の様子、その後の検査や手術についてもシェアしていく予定です。
私たちのプロフィール
まずは私たちの基本的なプロフィールです。
今年で7年目を迎える事実婚カップルです。
妊活は、およそ二年半続けており現在も進行形。
メディケアのみでプライベート保険に加入していません。
マッシュ
・30代前半の日本人
・BMI 18前後
・酒、タバコなし(渡豪前は愛煙家)
・自己免疫疾患による皮膚に現れる持病はあるものの健康
・婦人科系の病気があることを後に知る
(子宮内膜症/チョコレート嚢胞、卵巣嚢腫、子宮内膜ポリープ)
・運動大好き
パートナー
・マッシュの一つ年下オーストラリア人
・BMI 23前後
・酒、タバコなし
・消化器系に問題あるものの健康
・運動大好き
このように二人とも、お酒もタバコも嗜好品としませんし、運動大好きな健康体です。
しかし不妊治療を進めていくうちに、私には婦人科系の病気がいくつかあることが分かったのです。
私たちの妊活開始当初
パートナーとの話し合い(家族計画について)
私の永住権が無事におりて数か月が経った頃、兼ねてより私の胸中に留めておいた妊活への思いをパートナーに伝えました。
実は私たちの関係性って、基本的にお互い独立していて依存していないため、いわば友達に近いような感覚もあったんです。
物価の高いオーストラリア。
「お互い生活していくうえで生活費を折半して生活していった方が効率いいよね」が前提にあるような感じ。
そのため、正直これまで踏み込んだ話をする機会がほとんどなく、おかしな話、妊活の話を切り出すことにとても勇気がいりましたし、なんだかこっぱずかしい気持ちもありました。
彼も基本的にイージーゴーイングな性格なので、そこまで真剣に取り合ってくれるはずもなく、妊活とはどういうものなのか調べようともしませんでした。
むしろ、「まだ早くない?子供ができたら何もできなくなるじゃん」
と、いかにも自分の時間が大切だという主張と子供を持つことへの否定的な意見にショックを覚えたことを今でも忘れません。
これが「もう少し二人の時間を過ごしたい」という言い方なら私も傷つかなくて済んだかもしれません。
多くの男性は、女性に年齢というタイムリミットがあることを知らないんですよね。
確かに、自分たちの時間を子供に割かなければいけないし、子育てや教育にお金もかかる。
子供を持つことは贅沢品の一つだと私は今でも思っています。
でも、三十過ぎて、永住権も無事におりて、今後将来のビジョンを考えたときにこのまま一生二人だけの人生を歩んでいく想像ができなかったんです。
女として生まれたからには、出産・子育てを経験したいし、子供と一緒に自分もまた童心に返って同じ時間を共有したいとそう強く思ったんです。
半ば私の意見を押し通すような形で私たちの妊活は始まったのでした。
妊活について調べる
それからというもの、私自身も妊活についての知識が乏しかったので、必死にググったり、Youtubeを見たり、すでに子供のいる友達に聞いたりして情報をかき集めました。
すると、葉酸という栄養素が妊活・妊娠期間中に重要ということで、すぐに購入して毎日サプリを摂り始めました。
サプリに加えて、バランスの良い食事と適度な運動も生活に取り入れました。
今思えば運動に関しては適度というより、トレイルラン、マウンテンバイク、カヤックなど激しい分類に位置付いていたかもしれません。
そしてストレスが最もよくないと医師、ウェブサイト、友達など、どれをとってもこのことは共通していました。
自分にストレスが溜まっているなんて考えてことはありませんでした。
ですがこれも今思えば妊活と仕事のストレス・プレッシャーが大きかったのではないかと思います。
排卵日という名のチャンス
妊活について調べていると「排卵日という名の毎月訪れる妊娠のチャンス」があるとのこと。
以前から毎月の生理予定日を管理する目的でデータを記録していたとあるアプリがあり、そのアプリで排卵日予測もできたので、それに基づいてまずはタイミング法という方法で妊活を開始しました。
しかしこれが大きなストレスの原因となることをこの時まで気づきませんでした。
なぜなら、私たちの生活リズムが異なっていたため、パートナーと時間を合わせることが困難だったからです。
また、この日はチャンスなのにという日に限って、パートナーに友人との約束があったり、体調を崩してしまって妊活どころではなくなったり、なんともモヤモヤする期間が何か月も続いたのです。
その時の私は、妊活が上手くいかない焦りと仕事に関するストレスで大爆発!
いつもは寛容な私ですが、「やる気あんのかーい!」と、泣き叫びながら大喧嘩になり一週間以上、寝室別で彼を無視したこともあります。(笑)
男性と女性は違うのだと理解した
泣き叫んでも状況が変わらないことは知っています。
しかし、もう耐えられなかったのです。
なぜ、奴は理解できないんだ。こっちがこんだけ一生懸命やっているのに。
そこで、私たち男女の違いについて、女性の妊娠のメカニズムについて彼が調べる気がなかったので、私が絵やグラフに描いて分かりやすく彼にプレゼンを行うことにしたのです。
案の定、彼は排卵日という限られたチャンスがあることを知らず、加齢ごとに衰退していく妊娠率についても知りませんでした。
「やっぱりな」
もう、この一言に尽きます。
そう、男性側は知らないだけなのです。(または、興味がないとも言えるでしょう。)
女性側が分かりやすく、パートナーに何をどうして欲しいのかも伝える必要があります。
妊活は一人ではできない、パートナーの理解と協力が必須。
このことを強く痛感したのでした。
パートナーからの要望と私からの提案
そこでようやく同じ土俵に立った気持ちになりました。
ここで彼からの言い訳も兼ねた提案がありました。
ようは「排卵日がいつか知らないから、いきなり言われても困る」と。
まあそれもそうだよなとこちらも反省し、我が家にあるカレンダーにこの近辺がおそらくチャンスであろうという日を蛍光ペンでハッキリ・分かりやすく色をつけることにしました。
これで毎月自分で確認して予定の調整と体調管理を心がけてほしいとこちらからも要望しました。
彼もそれから以前よりは協力的になりましたが、お互いの仕事のことや彼の体調不良が重なったこともあり、なかなかタイミングをとるのが本当に難しかったです。
妊娠の確率を上げるために試したこと
徐々にアプリの排卵予測日も信用できなくなってきました。
そもそも私は排卵しているのだろうか?という疑問が生まれました。
そこで私は、妊活開始3カ月目にして排卵検査薬というものを購入し、試してみることにしたのです。
排卵検査薬とは?
排卵日を予測するためのスティック状の検査薬。
妊娠検査薬と同じように採尿部に自分の尿をかけ、数分待つだけで結果が分かります。
判定窓にラインが出たら陽性となり、陽性反応が出た場合、そのラインの濃度により妊娠しやすいタイミングが分かります。
女性の排卵日は、一ヶ月ある一日のどれか、およそ24時間以内です。
それも早朝かもしれないし、深夜かもしれません。
初めはクリアブルーという有名ブランドを試していましたが、排卵検査薬が陰性の場合は、その後も何度も利用しなければ的確なタイミングがつかめないので割高に感じていました。
そのため、途中からWondfoのPregnancy Test Stripsセットをebayで購入して、他の方のブログを参考に見様見真似で紙に張り付けて日付と時間を記録して濃度を比較して排卵日を確認していました。
陽性反応は確認できたので、排卵はしているようです。
これを10ヶ月間記録し続けましたが、一向に妊娠に辿り着かず。
結局ストレスに感じ始めたので、毎月確認するのを止めてしまいました。
また、体温を毎朝計測することもおすすめとされていましたが、私の場合体温の上がり下がりで一喜一憂し、これもストレスに感じるだろうと思い、初めから計測しませんでした。
意を決して二人そろって町医者へ
自分の年齢を気にしていたことと、友達がすぐにでも医者に行くことを勧めてくれたこともあって、妊活を始めて三か月が経った頃、意を決してパートナーに相談し、一緒に町医者のもとへアドバイスを受けに行くことにしました。
まだ妊活開始してから日が浅かったので、ここでもパートナーは前向きではありませんでした。
オーストラリアは日本と違い、初めから不妊治療専門医(スペシャリスト)に診てもらうことはできません。
必ずGPと呼ばれる町医者にかかり、紹介状を書いてもらうことが必要です。
また、後から知ったのですが一般的には妊活開始から一年経過していないとスペシャリストへ紹介してもらえないようです。
ただ、のちに会った町医者の先生には「そんなん一年経ってなくても経ってるって言えばいいんだよ(笑)」なんて寄り添ってくれる先生もいたことに救われた気持ちになりました。
しかし結局今回私たちが訪れた町医者には、まだ開始三か月ということで相手にもしてもらえず、「とりあえず血液検査だけして私の健康状態を確認するから、これまで同様に妊活を続けて」とあっさり言われてしまいました。
また、その医者からのアドバイスも、私がこれまで調べた排卵日のタイミングのことで「そんなん、もう知っとるわ!」と納得ができず、パートナーも「ほらみろ」と言わんばかりでした。
その後の血液検査の結果も良好で、結局原因が分からず、誰も私の力になってくれないのか。とすごく落ち込みました。
生理という名の毎月訪れる敗北サイン
一年間タイミング法で妊活を続けましたが、タイミングをとれる月もあればとれない月もありました。
眠気や吐き気などのちょっとした体の変化に期待しては、毎月やってくる生理に敗北感を突き付けられるのでした。
最初の数か月はこんなもんだと思っていましたが、毎月きちんとタイミングはとれていなかったとはいえ、一年経ってもいまだに妊娠できない事実は本当に残酷でした。
なぜなら周りでは、おめでたいニュースで溢れていたからです。
妊活前にネットで情報を調べていると、「友達の妊娠を素直に喜べない」という言葉を多く目にしました。
私も妊活開始後数か月は残念な結果を気にしなかったものの、一年も経つと友達の妊娠は喜べるのですが、妊活の孤独感と挫折感がとても大きくなっていき、常に焦りと終わりの見えない妊活が大きなストレスになっていました。
まとめ
このように、私の一年の経過をシェアした通り「絶対大丈夫」「すぐできる」なんて誰にでも通用する言葉ではないことをよく理解してい欲しいです。
妊活は思った以上に自分の計画通りにいかないこともあるし、パートナーの協力が必要不可欠です。
いつ授かれるかなんて医者にも分からないことなので、計画性を持ってパートナーと相談しながら足並みをそろえて一つのゴールに向かって進んでいくしかないです。
ストレスを排除するためや、通院に時間がとられ仕事のスケジュールが組めないという方は、仕事を辞める方も中にはいるくらいです。
総合的に見て、妊活は時間と共に、体力と忍耐勝負でもあることを念頭に置いておくことを強くお勧めします。
引き続き別の記事で、オーストラリアで不妊治療にかかった費用や不妊治療専門クリニックの初診の様子、その後の検査や手術についてもシェアしていく予定です。